百万年後の遭遇

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4年前、小惑星探査機「はやぶさ」が、60億キロの旅を終えて小惑星のサンプルを地球に持ち帰った感動は記憶に新しい。だが一方で、地球に還ることなく永遠に宇宙空間を飛び続けている探査機もある。

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昨年9月、アメリカ航空宇宙局は、ボイジャー1号探査機が、2012年8月に太陽系を脱出したと発表した。人工物が太陽系を離脱したのは初めてである。太 陽系を後にしたボイジャーは、今後、星間飛行を続けながら、電子力電池が枯渇する2025年ごろまで太陽系外の観測データを地球に送信してくる予定になっている。

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ボイジャーは太陽系の惑星を探査する任務の他に、もうひとつ重要な任務を託されている。人類からのメッセージを太陽系外の知的生命体に届けるという任務で ある。ボイジャーにはゴールデン・ディスクと呼ばれるレコード盤が取り付けられており、世界中の言語や音楽、地球の自然の写真など、この地球と人類の存在の証しとなる文化の所産が収録されている。太陽系惑星探査という第一の任務を終えたボイジャーは、第二の任務である地球外知的生命体との遭遇を期待されな がら、今も孤独な飛行を続けているのである。

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ボイジャー1号が打ち上げられたのは今から37年前の1977年である。ボイジャーを支える技術も当然37年前のものである。コンピュータの世界でこの時間は「はるか大昔」を意味する。ボイジャーのコンピュータ処理速度は今のスマートフォンの7500分の1しかなく、メモリ総容量はインターネット上で jpegファイル1枚を保存する程度の貧弱な容量でしかない。そして後ひとつでもエラーが生じたら、全機能を喪失するかもしれないという満身創痍の状態で 飛行している。

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だが、電池が枯渇して地球との交信が絶たれた後も、ボイジャーは恒星間飛行を永遠に続ける。もし数万年後、数百万年後、幸運にも地球外知的生命体と接触で きたなら、例えその時、人類が絶滅し、あるいは地球が消滅していたとしても、ゴールデン・ディスクは、かって存在した地球という青く美しい惑星と、そこの 住人であった人類の貴重な記録として彼らの孤独を癒やすことだろう。

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      Farewell Voyager! and Forever Voyager!
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by tsuigei | 2014-02-20 23:46 | COLUM

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